お葬式用語集

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仏式・キリスト教式など、「葬儀に関する用語集」です。

《仏式に関する用語》 50音順

【一本花(一本樒(しきみ))】

死者の枕元に立てる一本花は、魂のよりどころとして花一輪を供えるもので、現在ではほとんど樒(しきみ)が使われます。樒はモクレン科の常緑小喬木(きょうぼく)で毒性があり、動物から仏を守るためともいわれます。

【一本線香(いっぽんせんこう)】

香は火をつけると燃えて芳香を放ち続けるところから、命のかぎり仏道を歩む精進行(しょうじんぎょう)を表すといわれます。線香はとりわけ扱いやすいため、立ち具合によって読経の時間を計ったりします。地獄・餓鬼(がき)・畜生(ちくしょう)・修羅(しゅら)・人間・天上(てんじょう)にちなんで正式には六本ですが、一般に略して一本を用います。

【一膳飯(いちぜんめし)】

人が亡くなると、故人が日常使っていた茶碗にご飯を盛り、中央に箸を立てて枕飾りとして死者の枕元に供えます。土まんじゅうのようにこんもりと盛って箸を立てた姿が、円墳に墓標を立てた形になるところから今日まで伝わっています。なお、宗派によっては、箸を立てません。

【御布施(おふせ)】

布施とは、梵語のダーナの訳で、仏教徒の重要な徳目とされる施しを意味する言葉です。仏事の供養に主として寺院や僧侶に差し上げるお礼のことですが、供養のために仏の教えを守り行う気持ちが大切です。

【神棚封じ(かみだなふうじ)】

家族に死者がでたとき、神棚に死の穢(けが)れの害が及ぶのを防ぐため、扉を閉じ、合わせめに白紙を張って封印します。扉がない場合でもご神体が隠れるよう白紙を縦に下げ、普段の祀(まつ)りは控えるようにします。仏式葬儀でも、忌明けまで神棚封じを行います。

【戒名(かいみょう)・法名(ほうみょう)・法号(ほうごう)】

戒名は元来、生前に出家して仏の弟子になる時授かる名ですが、現在では俗界を離れた死者に菩提寺(ぼだいじ)の僧侶から贈られます。浄土真宗系は法名、日蓮宗では法号とよびます。戒名は宗派や社会、寺院への貢献度その他により呼び名や位階(いかい)等が異なるため、寺院にお問い合わせ下さい。

【経帷子(きょうかたびら)】

仏式で葬るとき、死者に着せる着物が経帷子です。手には数珠をかけ、頭陀袋(ずだぶくろ)、六文銭をもたせる風習があります。これは浄衣(じょうい)で、生前経文(きょうもん)や各寺院の集印(しゅういん)等を集めて作って置かれる方もあります。元々は近親者が集まって縫い、死者に着せると生前の罪がつぐなわれるとされています。

【忌日(きにち)】

故人が亡くなった日で、命日のことです。仏式では亡くなってから七日めごとに7回と、月忌(げっき)、百ヶ日にあたる日を指し、故人の追福(ついふく)をねがって法要を営みます。

【香典(こうでん)】

香典は故人の冥福を祈り、香の代わりにお金を仏前に供えるものです。正式には紙幣を半紙に包み、さらに奉書(ほうしょ)で包んで白黒の水引を掛け、悲しみが後にひかないようにとの意味で結び切りにします。最近では市販の金封を使用することが多いようです。

【焼香(しょうこう)】

香を焚くことで自らの体と心を清め、雑念をはらい、仏に向かいます。また、立ちのぼる煙は故人が浄土へ向かうあらわれとされ、供養のため焼香を行います。会場の都合で「回し焼香」の場合もあります。宗派により回数、作法等異なりますが、心を込めて行うことが大切です。

【仕上げ(精進落とし・精進上げ)】

忌明けの四十九日または三十五日までは肉や魚をつつしみ、この期間を過ぎてはじめて肉食に戻ることから、精進落とし(上げ)といいます。昔は火を別にする喪屋での食生活を解き、日常の生活にかえりました。現在では葬儀でお世話になった人々に感謝し、酒や料理でもてなす宴の意味で用います。

【数珠】

仏前で礼拝するとき手にかける法具で、日本のほかチベット、中国、インドなどで古くから用いられました。煩悩を断ち切ることにちなんで、玉は108個を基本にしています。数珠は左手にかけ、両手のひらではさむようにして合掌します。

【頭北面西(右脇臥)ずほくめんさい(うきょうが)】

釈迦が涅槃(ねはん)に入られたときの姿勢になぞらえ、ご遺体の頭を北に、顔を横に向け、右脇を下にして横たえるならわしをいいます。通常は北枕にしますが、部屋の都合等でできない場合は、西方浄土(さいほうじょうど)になぞらえ西枕にすることもあります。

【瀬餓鬼絵(せがきえ)】

悪道に堕(お)ちて飢えに苦しみ、災いをもたらす鬼や無縁の亡者(もうじゃ)に供物をほどこす法会(ほうえ)で、法要にあわせて行う場合があります。

【葬儀後の法要】

仏教ではなくなってから四十九日間を中陰(ちゅういん)または中有(ちゅうう)と呼び、故人が現在とあの世の間をさまよっているとしています。そこで縁者は無事に浄土に行けるよう、亡くなった日から数えて、七日目ごとに故人の霊に供物を供えて冥福を祈ります。葬儀のあとすぐに営まれる初七日法要、最後の四十九日が満中陰法要(まんちゅういんほうよう)です。

【卒塔婆供養(そとばくよう)】

故人を供養するため墓に立てる、六尺から八尺の長い板で、古代インドの供養塔をあらわす切れ込みを入れています。表に経文や戒名、裏に法要の年月日や施主の名を書きます。法要中は仏前に、終了後は墓のそばに立てます。最近では、広く年回忌やお盆などに供養します。

【荼毘(だび)と斂祭(れんさい)】

梵語(ぼんご)で火葬のことを荼毘といい、焼身(しょうしん)や焚焼(ふんしょう)を意味しています。火葬場に着くと棺をかまどに移し、小机の上に持参した位牌などを飾って最後の読経、焼香をします。この納めの式が斂祭です。以前は一人一人点火をしましたが、現在では焼香に代わりました。

【灰葬経(はいそうきょう)(還骨勤行)(かんこつごんぎょう)】

火葬場から持ち帰ったお骨は仏壇に置かずに、小机か後飾りの祭壇に設けて安置し、僧侶の読経と遺族による焼香を行います。このときのお経が灰葬経です。また、この祭壇には位牌や遺影を置き、供えをして忌明けまで飾ります。

【仏壇】

自分の信じる仏さまを祀る場所で、天武天皇の詔(みことのり)により、貴族から庶民へと広がりました。宗派により飾り方が異なります。

【末期(まつご)の水】

臨終まぎわの人が最後に水をもとめることからきたならわしで、死去後、居合わせた近親者が血縁の濃い順にその口もとをうるおします。新しい筆の穂や割り箸の先にガーゼか脱脂綿を白糸でまいたものに水を含ませて行います。

【枕飾り】

ご遺体の枕元に白木の台か経机を置き、三具足と呼ばれる花立て、香炉、燭台を供えて飾ります。宗派により違いがあり、当社で準備いたします。

【枕刀(まくらかたな)】

守り刀として遺体の枕元や布団の上に短刀を置くならわしで、魂が脱けたあとに悪霊が入るのを防ぐためといわれます。このとき、刃を故人に向けないようにします。

【枕経(まくらきょう)】

亡くなった後、僧侶に最初にあげていただくお経で、死者はこれによって仏になるとされます。古くは通夜のつきそいの僧が、終夜読経をしましたが、現代では地方により、また僧侶によって死去後すぐ行う場合や、納棺後に行う場合などがあります。
《神式に関する用語》 50音順

【火葬祭(かそうさい)】

火葬場に到着の後、柩をかまどの前に安置し、案をもうけて銘旗や花を供えて拝礼します。火葬はこの儀式のあとになります。

【清祓の儀(きよばらいのぎ)】

霊祭のなかの五十日祭の翌日に行う、清めの儀式です。手水、祓詞のあとで、大麻、塩湯で神棚、祖霊舎、仮霊舎、屋敷内を祓い、神棚と祖霊舎を封じていた白紙を除きます。

【北枕】

遺体の頭のほうを北に向けて横たえるならわしです。神社によっては、東枕や部屋の床の間のある上手か右方とします。

【帰家祭(きかさい)】

遺族、親族が火葬場から帰った後、ご遺骨と霊璽を仮霊舎に安置し、葬儀が無事に終わったことを霊前で奉告する儀式です。

【合祀祭(ごうしさい)】

合祀祭は仮霊舎にお祀りしていた故人の霊璽を祖霊舎に移す儀式で、忌明けの五十日祭から百日祭までの間の適当な日を選んで行います。この後、故人の霊璽は先祖の霊とともにお祀りすることになります。合祀祭が終わると、仮霊舎は取り払います。

【遷霊祭(せんれいさい)】

御霊移しとも呼び、故人の霊をなきがらから霊璽に移す儀式で、夜間に家中の明かりを消して行います。このときから故人は神に、遺体はなきがらになるとされます。現在では簡略化し、葬場祭で行うことが多いようです。

【祖霊舎(それいしゃ)と神棚】

神棚には氏神や家で敬う神霊、新符(しんぷ)などをお祀りします。祖霊舎は神棚とは別にもうけ、先祖代々の霊を合祀(ごうし)します。神棚とのつり合いがとれるようにします。

【通夜祭(つやさい)】

亡くなって以降も故人に生前と変わらない礼を尽くし、奉仕する儀式で、葬場祭の前夜に営みます。

【直会(なおらい)】

神事が終わったあとの酒席で、斎がなおり、平常に帰ることです。神葬祭では帰家祭の後、神職やお世話役の労をねぎらうために開きます。

【埋葬祭(まいそうさい)】

火葬後、遺骨を墓に納めたあとで銘旗、花などを供え祈ります。火葬のあとすぐ墓に埋葬するのが正式ですが、現在では自宅に持ち帰ってお祀りし、あらためて埋葬することが多いようです。

【枕直しの儀】

ご遺体の枕元に八足台の案をもうけ、塩、御神酒、榊などを供えて神式の枕飾りをします。遺族らがつつしんで故人を囲み安らかな死を祈る作法を行います。これが枕直しの儀です。

【霊璽(れいじ)】

霊璽は神道で霊のしるしであり、仏式の位牌にあたります。柾目(まさめ)の通った白木の故人の名前、生年月日を書き入れます。霊璽は仮霊舎(かりたまのや)に安置し、忌明け後に家の守護神として祖霊舎にお祀りします。

【霊祭(れいさい)】

仏式の法要にあたるもので、死去後十日目ごとに行う毎十日祭、帰幽の日から100日目の百日祭、1年目以後の式年祭などがあります。なかでも忌明けとなる五十日祭、百日祭、一年祭を重視し、式年祭では、一年、三年、五年、十年祭を盛大に行うことが多いようです。

《キリスト教式に関する用語》 50音順

【カトリック】

ローマ法王を最高首長に戴く旧教、またこれに所属する信者をいいます。使徒ペテロの殉教の地ローマに建てられた教会が大勢力を作り、正統教義を継承するローマカトリック教会として発展したものです。厳格な教義を持ち、キリストの教えと救世の効果を世界の人々に伝え、人類の救霊を使命にしています。

【記念式】

死後7日目、10日目、または1カ月目の召天記念日などに、自宅、教会、墓前に近親者や友人が集まり、記念式を行います。それ以外に特に決まりはありませんが、1年、3年、5年の召天記念日に記念式が営まれます。

【献花(けんか)】

キリスト教では葬儀の際、霊前に花を供える献花を行います。もともと、柩の中に花を飾って、親しい人々が別れを惜しんだことに由来するようですが、現在では線香にかわる儀式として一般化しています。白や淡い色の生花を用い、プロテスタントでは式の直後に献花します。

【神父】

カトリック教会で教区司祭、修道司祭に対する尊称です。

【頒栄(しょうえい)】

プロテスタント教会で三位一体の神を讃え、栄光を神に帰する歌です。讃美歌539番から544番のうちのひとつで、主に541番を一同で合唱します。

【洗礼(せんれい)】

キリスト教の信者となるための儀式で、全身を水に浸したり、頭上に水をそそぎます。人間が生まれながらに持っている原罪を洗い清め、新しい生命によみがえることを象徴しています。

【聖体拝領(せいたいはいりょう)】

キリストの血と肉を象徴するブドウ酒とパンを、信者に分ける儀式で、ミサ聖祭のなかで行われます。信者はキリストの血と肉をいただくことで、復活の保証を得ます。

【聖餐式(せいさんしき)】

牧師が病人にパンとブドウ酒を与え、聖書を朗読して、安らかに召天されるよう、祈る儀式です。この間家族もそばに付き添い、祈りを捧げます。

【前夜式】

通夜の儀式で、牧師が司式をします。讃美歌や聖書の朗読のほかに、参列者で故人をしのぶ「感話(かんわ)」の時間があり、牧師が故人の信仰や思い出を話します。

【葬儀ミサ】

「ミサ」は聖体と聖油を神に捧げる、カトリックに特有の荘重(そうちょう)な儀式で、葬儀もミサを中心に行われます。葬儀ミサは、故人が神とともに永遠の生命を得るよう祈るもので、ことばの典礼と感謝の典礼から成り立っています。

【追悼ミサ】

カトリックの法要にあたるのが追悼ミサで、死後3日目、7日目。1カ月目および1年目の「死者記念のミサ」などがあります。カトリックでは土地の習慣にあわせて比較的自由に行うため、これ以後は特別の決まりはありません。

【万霊節(ばんれいせつ)(死者の日)】

毎年11月2日を亡くなったすべての信徒を記念する「死者の日」と定めています。遺族や親類、知人をはじめ信者は教会に集まり、「死者記念のミサ」を行い、墓前に花を捧げます。

【病者の塗油の秘蹟(びょうしゃのとゆのひせき)】

死に臨む信者が神に罪の許しを求め、神の恩恵を受けるための儀式です。小卓の上に十字架、ロウソク、聖書、聖水、綿を入れた皿等を用意します。神父は告解(こっかい)を開き、祈りを捧げ、聖書を朗読し、信者の額と両手に聖油を塗り、持参したパン一切れを与えます。パンはキリストの体を意味し、聖体拝領(せいたいはいりょう)を受けることで、魂の復活が約束されます。

【プロテスタント】

16世紀、宗教上の改革によってローマ・カトリック教会から分離したキリスト教の各派教会(ルーテル教会・英国国教会・パブチスト教会・救世軍・クエーカーなど)に帰属する人々のことで、旧教に対する抗議団をプロテスタント(抗議の意味)と呼んだことからこの名が冠せられました。聖書を神の啓示した言葉として敬い、唯一の信仰の源泉とするほか、教会の教導職を排し、ミサ聖祭を行わない点などに特徴があります。

【牧師】

Postorの訳語で、プロテスタント教会の教職名です。信徒司牧の資格をもった教会の責任者で、教区、教会を管理し信仰の指導にあたります。

《その他》

【重ね言葉と忌み言葉】

ふだん使っていても、「なお・また・再び」のように不吉なことを連想させるのが忌み言葉です。また、「たびたび・重ね重ね」のように強調するため言葉を重ねるのを重ね言葉といいます。弔辞のなかでは相手の気持ちに配慮し、どちらも使用を避けます。

【骨あげ(こつあげ)】

火葬した死者の骨を拾いあげることで、二人一組になり行います。血縁の濃い順に、収骨用の箸で一、二片ずつ挟みあって、骨壺に収めます。足もとから順に、腰、背、ろっ骨、頭の骨を収めて、最後にのど仏を拾います。地域により、しきたり等が異なる場合があります。

【逆さごと】

不幸が起こったとき、遺体に係わるさまざまな物を逆さまに用いるならわしで、逆さ屏風、左前、逆さ水などがあります。日常の習慣に反することを行って、死を繰りかえさないようにとの意味を込めています。ふだんの生活では逆さ事は避けます。

【友引】

中国の武将が戦の前に占いとして使用した暦法の六曜(先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口)のうちの一つです。戦の勝負がつかず、両軍ともに引きあげることをいいます。友を死へ引くので葬儀はいけないというのは、語呂合わせに基づく俗信にすぎません。最近では、友引に関係なく行うことも多いようです。

【弔辞(ちょうじ)】

死者をおくる最後の別れのことばで、故人につながりの深い人に依頼します。とくに内容に決まりはありませんが、故人の業績を讃え、追悼の気持ちを表します。故人の宗教をふまえて、不適切な表現を用いないようにします。奉書や巻紙に毛筆を使用し、上包みに弔辞の表書きを書きます。

【墓地】

遺骨や遺体を埋葬するところです。7世紀に孝徳天皇が制定し、8世紀、称徳天皇を大和西大寺の境内に葬ったのがはじまりといわれます。一般に墓石を立てるようになったのは江戸時代からで、現在では様々な様式で造られています。

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